理事長就任のご挨拶
一般社団法人 日本看護管理学会理事長 武村雪絵
このたび、坂本すが前理事長の後任として、一般社団法人日本看護管理学会理事長を拝命いたしました、武村雪絵と申します。
学会が発足して27年、一般社団法人となって10年が経過した現在、当学会の会員数は5,695名に上ります。看護管理学に関する新たな知識や交流を求める人々が多くいることの表れだと思います。特に、2020年から3年以上続く新型コロナウイルス感染症の流行は、人々の命と健康を守るために看護職が不可欠であること、また、看護職自身の心身の健康や社会生活を守らなければ看護を持続的に提供できないことを浮き彫りにしました。医療資源が限られる中、各組織の看護管理者は利用可能な資源をみつけ出し、組織化して、看護を必要とする人々に適切な看護を届けるために力を尽くしました。パンデミックは、看護管理者の存在がいかに重要かを再認識する機会でもあったと思います。
当学会の定款には、「この法人は、看護実践のあらゆる場における看護サービスの発展をめざして、看護サービスの組織的提供の仕組みを社会的諸要因との関係において学術的に追求し、もって人々の健康とQOLの向上に寄与することを目的とする」とあります。理事長就任にあたり、改めてこの文言を胸に刻み、人々と社会に対する責任を自覚しながら学会活動に従事したいと思います。
私は2016年に第20回日本看護管理学会学術集会長を務めた際、テーマを「看護管理の知―創ろう、活かそう、つなげよう―」としました。このテーマは今も私の胸にあります。学会員の学術活動と交流を推進し、看護管理学の発展や新たな看護管理実践モデル―たとえば、看護の潜在的な可能性を広げる創造的な活動や、看護を効果的に人々や社会に届ける新たなシステム・組織マネジメントなど―の創出や普及に貢献することは当学会の中核といえる事業です。全国の看護管理者にタイムリーかつわかりやすく看護管理学の知見を届け、効果的で良質な看護管理実践を支援することも当学会が果たすべき責任です。そして、英文名に「Administration and Policies」という言葉が入っているように、看護管理学を専門とする学協会として政策過程や様々な事業に参画して、よりよい社会づくりに貢献することも重要な活動だと認識しています。
私個人は経験不足・力不足ではありますが、学会内外の皆さまからご指導、ご支援、ご鞭撻をいただきながら、一緒に様々な事業に取り組んでまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2023(令和5)年4月